「グラティチュード」を実践するジャーナリング以外の方法5つ
感謝の気持ちを忘れずにいたいけれど、日記を書く時間がないという人のために、気軽に取り入れられる、科学的に証明された5つの方法をご紹介します。
「グラティチュード」と呼ばれる感謝の気持ちは、人生を喜びや幸せで満たし、他者への思いやりを忘れずにいるための大切な要素です。実際には、仕事やソーシャルライフ、プライベートに挟まれて葛藤や責任を感じる毎日に追われ、それを忘れてしまうこともあります。けれど、グラティチュードは、ウェルビーイングにとってさまざまなメリットがあります。
感謝が自己肯定感や自信の向上につながることは、実際に明らかにされています。グラティチュードを実践する人は、成功した人生を送る可能性が高いことは、これまで何度も証明されてきました。このことは、『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』(ショーン・エイカー著)でも解き明かされています。また、幸福感が高まるだけでなく、血圧が落ちつく、炎症が軽減するといった影響をもたらすことも注目されています。
それでは、どう実践すれば良いのでしょうか。よく知られている方法は、思い浮かんだことを書きだす「ジャーナリング」です。これは、感謝の気持ちを育むことに大きな効果があります。けれど、考えや思ったことを書き留める時間が常にあるわけではありません。また、毎日にようにインスピレーションが得られるわけでもありません。この記事では、ジャーナリングに代わって、科学的根拠に裏づけられた5つの方法をご紹介します。感謝の気持ちを思いだし、心満たされる日々を手に入れましょう。
1. 音楽でグラティチュードを高める
音楽が人の記憶に与える影響は、科学的エビデンスによって明らかにされています。グラティチュードを実践するには、まず、感謝の対象となる体験の記憶を持つことが必要です。音楽はその記憶をよりパワフルに呼び起こします。あるいは、お気に入りの曲を思い浮かべるだけでも、脳から分泌されるドーパミンレベルが高まるとされています。研究によれば、グラティチュードを高め、心に残る記憶を形成する上で、強く影響しているのが12~22歳の時に聴いていた音楽であることがわかりました。グラティチュードにつながる自分だけのプレイリストを作成してみましょう。記憶をたどることで、ノスタルジアを追体験しながら、感謝の気持ちを呼び起こします。
2. 記憶の集合体
#photodump(フォトダンプ)は、ミレニアル世代のトレンドというだけではなく、グラティチュードのきっかけにもなります。フォトダンプとは、複数の写真をまとめてカルーセル投稿すること。Instagramでよく目にします。手の込んだ加工を施したイメージとは違い、フォトダンプはユーザーが選んだランダムなメモリーコレクションです。そこには、その人が大切に思う物や時間が切りとられています。例えば、ふっくらと熟した桃を食べた時。秋の訪れを感じた景色。猫が静かに眠っている姿。毎月これらを投稿するのは楽しいものです。1年の終わりには、感謝する瞬間を集めた12のアルバムが完成します。ある研究では、Instagramの使用がグラティチュードを高めることに繋がる結果が出ています。フォトダンプの投稿が、心にどんな影響を与えるか試してみませんか。
3. 付箋の活用
あるグラティチュードに関する研究では、感謝したいことを朝に書きだすことで、その日の効果が長く持続するとされています。自宅で頻繁に目に入る場所をピックアップしてみましょう。バスルームの鏡、ベッドサイドテーブル、冷蔵庫。こうした場所に、自分へのメッセージを書いた小さなメモを貼りつけておきます。メモの内容は短く、キャッチーに。自分への愛を込めましょう。
まずは、あなたの個性の中で、自分が良いと思うものを1つ挙げてみましょう。友人や家族に、あなたを3つのポジティブなワードで言い表してもらうのも良いでしょう。それを付箋に書いて、特別な場所に貼りつけておきます。それを見るたび、あなたという人の素晴らしさを思いだして。また、大切な人へのメッセージを付箋に書いて、本人の目に付く所に貼ることで、グラティチュードの輪が更に広がります。
4. 地元の店で買い物する
コロナ禍を経て、衣服や食料品、ギフトに至るまで、オンライン広告をクリックしてショッピングすることは日常の一部になりました。けれど、パンデミックが収束し、地元のお店は営業を再開しています。レストランは新鮮な料理を提供し、馴染みの青果店も営業を再開しています。地域に根づく日々の営みに、これまで以上に感謝するきっかけになりました。地元のお店で季節を感じながら、特にフルーツや野菜、肉や魚などの生鮮品などの買い物をすることは、大切な習慣です。環境に優しいだけでなく、栄養面でも多くのメリットが得られます。更に、地元の生産者に感謝を示す手段でもあります。このことは、精神面でのウェルビーイングを大きく向上させることが証明されています。次回の買いだしは、大型スーパーで列に並ぶ代わりに、地元の食材店を訪れて、季節の恵みがいっぱいの野菜を手に入れてみませんか。
5. ムードボード
自分の願いを視覚化することは、ポジティブな気づきをもたらします。ゴールを定めるだけでなく、感謝を思いだすことに繋がります。物語をビジュアルで表現するために、古い雑誌や本を集めましょう。また、幸せな気持ちになれるものや、あなたが望む未来の自分のイメージを引きだします。このシンプルな手法は、一見、子どもの遊びにも似ています。けれど、ムードボードを作ることは進むべき方向や目的を明確にします。ムードボードは「ドリームボード」なのです。もちろん、広くて豪華な家やスポーツカーが望みだという人もいるでしょう。けれど、未来のキャリアや家族など、有意義なものに意識を向けてみましょう。「自分を幸せにするものは何か」と問いかけてください。
出来上がったドリームボードを目に見える所に置いておき、行き詰まりを感じたり、道を見失いそうになったりするたびに眺めて、自分を取り戻しましょう。目的やゴールが感謝の気持ちが込められていれば、ドリームボードは力を発揮します。なりたい自分へと近づきながら、今あるものに感謝することの大切さを思いだせるはず。
- Your Rituals